母という仕事への憧れ

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アシタスタイル代表、井手口です。

幼い頃から、「母」という仕事に、大きな憧れを抱いていました。


大人になったある日の出来事です。
箪笥の中を整理していた母は「見て!見て!まぁちゃん!これ!」 少し興奮気味に私に声を掛けました。

見つけたのは、5歳の私が幼稚園で作った工作。そこには「大きくなったらなにになりたい?」と質問があって、枠の中には、可愛い文字で「おかあさんになりたい」と、書いてありました。


私は5歳からお習字を始め、小学校に上がる頃には、名前を漢字で書けるまでに上達しました。
文字を書くことがとてもとても楽しかったですし、褒められると嬉しくて一生懸命練習していたことを、よく覚えています。

   

母は娘に「おかあさんになりたい」と思ってもらえて嬉しかったでしょうね。
自分の姿を毎日見ている自分の娘が「あなたになりたい」とラブコールをくれるのだもの。

後に知りましたが、母は姑から酷い虐めにあっていて、心に深い傷を負っていました。
(お姑さんに逆らうなんてありえなかった時代の話)

育児の中で、我が子からもらう「おかあさんだいすき」「おかあさんありがとう」そんな言葉を、胸に抱き、励みにしながら、怒りや憤りの感情を、自尊心に変えながら、己を奮い起たせたのだろうと想像します。

私の作品に残した「おかあさんになりたい」が、母にとって、ある時にはラブレターとなり、ある時には御守りになって、母を支えたのではないかな?と、想像します。

だからこそ大切に、取っておいてくれたのだろうなと。


あれを発見した当時のことを、今でも時々、思い出したりします。

母が私の想いを大切に持っていてくれていた嬉しさと、感動や、恥ずかしさやらの感情がごちゃ混ぜに同時に溢れてきたこととか、同時に思い出します。
実はこうやって綴りながらも、ちょっと、今、涙目になっています(笑)


そう。

私はお母さんになりたかった。

母というお仕事を、とても尊敬していたからです。

幼いまぁちゃんが、紙に書いて幼稚園で宣言するほど、強い強い願望でした。


さて、さて、
お客様方で、唐突に井手口から感謝され、次のように告げられて戸惑った方は、相当数いらっしゃるのではないかしら?
「母というお仕事をされている方を、私はとても尊敬しているんですよね。ありがとうございます。」
とか
「地球の未来を生んでくださりありがとうございます。」って。

結婚はしましたが、出産も育児も経験していない私にとって、それを経験された母の皆様は尊敬する方々です。

母になった皆様全員が、もれなく経験されてきた妊娠、出産、子育ての痛みやご苦労なども、到底わかりませんし、我が子が成長していく姿に喜びを抱くことなど、子どもがいない私にはできないはずでした。

 

 

でしたが・・・

なんと、なんと、わたくし、現在、子育て真っ最中!


心底から井手口を慕ってくださる子供達が、もう愛しくて、可愛くて、堪りません。

(我が子の成長を見守る母って、こんな気持ちなのかしら??)

泣いたり、笑ったり、凹んだり、喜んだりしながら、懸命に取り組むその姿に感動し、己に向き合い、気付き、乗り越え、逞しく成長していく姿に、心打たれる日々を送っています。


彼らは、アシタスタイルアカデミーで伝承者となるべく学んでおられる生徒さん方です。

情熱を傾け、物事へ前向きに全力で取り組む姿。
人が学び、成長していく姿は、なんて美しいのでしょう!

こんなに素晴らしいかけがえのない体験をさせて頂けている毎日がもう素敵すぎて、有難くて、幸せでこうやって文章を綴りながらも嬉し涙が、ドバドバと溢れてくるんです。

それで今朝、急に甦ってきたわけですよ。

冒頭に書いたむかし昔の記憶が。

幼い私が「おかあさんになりたい」と切望していたことを。


「そっか、そっか!あなたがやりたかったことはこれだったのね!」

「そうなの!これよ!私がやりたかったこと!」

アハハーーー!

産んでるね!! 

育ててるね!!


自分の想いに気付き、現在やってることに気付いたら、今度はまた、別の記憶が蘇ってきました。
 

起業したての頃は、色んなコミュニティに招いて頂ける機会がたくさんあり、アシタスタイル創業の経緯について質問される機会が、度々ありました。

そこでは、先輩経営者の皆様から数々のお言葉を頂戴しました。
  
「井手口さんはとても懐が広く愛情深い方ですね。」
「うん。あなたはリーダーに向いてる。」
「専業主婦だったの?社長になって正解だね。」
「仮に君が母親になっていたとして愛情を注ぐ相手が我が子だけなんて、きっと愛や情熱が有り余って自分を持て余してただろうね!アハハ!」
「これからこの事業を通してたくさんの人に向けて愛を与える人だと思いますよ。」
「みなさんのおかあさんになりなさいよ」
   

      
なんと恐れ多い!!なんと有り難いことでしょうか。
    
そうでした。そんな出来事があったのでした。

改めて記憶が甦ったところで、恐れ多くも有り難い言葉を、今ここで、再び心に留めます。
  
先輩経営者の皆様。その節はありがとうございました。

   

  
私は、お母さんにはなれませんでしたが、子どもを産まなかった代わりに、アシタスタイルを産み、子どもを育てなかった代わりに、人を育てています。

おかあさんになりたい私の夢は「アシタスタイルを伝承する人材の育成」という形で叶えることが出来ました。
(現育成クラスのみんなー! Iさん、Hさん、Hさん、Mさん、Mさん、井手口から学んでくださってありがとう!! )


かつて、子どもを授かれない自分を責め、毎日ウジウジメソメソと泣いて過ごしていたあの頃の私は、今、見事に、リベンジを果たし、ゲラゲラと大笑いしています。
弱虫の私に、ついに、勝利したのだー!
ワッハッハー!

自分が作ったアシタスタイルは、また自分へ新たな人生の舞台を用意してくれているようです。嬉しいなぁ!


それもこれもアシタスタイルアカデミーを学びの場所に選んでくださった生徒さんのおかげです。

皆様の成長を通して井手口自身も成長する機会を得ることが出来ました。
ありがとうございます。


昔、父が、子どもの私によく言っていたんです。「仕事はな、人を育てられて、一人前ぞ。」

はい。
お父さん。
自分は生徒さんを育てながら、自分を育てていき、心を磨いていきます。

父と母から教わった様々な大切なことを次の世代へ繋いでいきます。
伝えていかなくてはならない心の持ち方、
与えること、
正直でいること、
分かち合うこと、
感謝の日々を送る事、
思いやりの精神。
   
日本人の道徳心、義理と人情の襷を、若い世代へ渡していきます。

  
こうして私がやりたいことをできるのもアシタスタイルを存続できるのもずっとご愛用くださるお客様のおかげなんです。

ほんとうに皆様、いつもずっとありがとうございます。

どうぞこれからもアシタスタイルを応援してくださいね。よろしくお願いいたします。

最後までお読みくださりありがとうございます。
それでは、また!