15歳の伝承者が誕生。自由研究のテーマは「私たち高校生の足とローファーの関係」

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井手口です。
先週のメルマガで子どもたちの学びついて触れましたが、ご本人から許可が下りましたので、写真とともにご紹介いたしますね。



Hさん。高校一年生。
「学校の自由研究で、指定靴であるローファーが足に合わないので自分たちの心身に与える影響をテーマにしたいです。データ集めのために、クラスメイト全員の足を計測できるようになりたいです。」とのお申し出があり、先月末に、「足の計測二級講座」の受講にいらっしゃいました。

 

Hさんが最初にアシタスタイルへ訪れたのは、小学5年生。その後、お母様とご一緒に、定期的にフットチェックを受けるようになり、どんどん足と靴の知識を習得していかれました。


この春、志望校へ合格、学校の指定靴をすべてアシタスタイルへご持参の上で、自分の足とのサイズ感とフィッティングを確認しながら、どのように靴とお付き合いをしていくかを井手口に相談しながら、ご自分で決めていきました。
 
  

その中でも、Hさんが悩んだ靴が、ローファーでした。



Googleで、「ローファーとは?」と検索すると・・・

英語でローファー(loafer)とは「怠け者」という意味で、靴紐を結ぶ必要がなく、簡単に脱ぎ履きできることが名称の由来と言われている。

ローファー(英: penny loafers)は、革靴の一種。別名ノーウィージャン・フィッシャーマンズ・シューズ。靴ひもを結ぶ必要のない靴(スリッポン(英語版)、slip-on)の一種。~ウィキペディアより



アシタスタイルでは、靴の履き方の工夫(靴の着付け)によって、履きづらい靴を、快適な靴へと、蘇らせることができるのですが、ローファーだけはどうしようもなくて、頭を悩ませている井手口です。選択できるのであれば、紐靴を選んでいただくよう指導していますが、指定靴がローファーとなると手の施しようがありません。アッパーが甲を押さえてくれないために、3Dインソールも効果的に働いてはくれません。

脱ぎ履きしやすいように作られている靴=歩いていても脱げやすい靴。

脱げやすい靴は、浮き指トラブルを助長してしまいます。

浮き指は、巻き爪トラブルを助長してしまいます。

浮き指では、足のゆびに力が入らず、骨盤を支えるための下肢の力が発揮できず、お腹に力が入らず、ポッコリお腹や、腰痛を助長してしまいます。

浮き指では、いつも身体が後ろにいるので、骨盤が前傾させられず、頭や腕の重みを使って歩こうとするために、姿勢が悪くなるのです。

脱げやすい靴を履いている限り、足がちゃんと使えない。

肉体や心が大人へと構築されていく大切な成長期に、足が着地しない、足のゆびが使えない、脳を刺激できない。

深刻な問題を秘めているのに、提供側も使用している人たちも、その事実に気が付いていないという非常事態。

アシタスタイルサロンへご相談にいらっしゃる大人の皆様の中にも、ご自身が歩んでこられた過去の習慣を振り返られる方は多くおられます。「井手口さんのお話を聞いているうちに、思い当たりました。私の外反母趾は、きっと、高校生の時に履いたローファーが原因で崩れたんだと思います。」と。

そうは言っても、すでに、暮らしの中に浸透している靴です。
「身体に悪いから、即、排除!」なんて簡単にはできません。

実際、ローファーを製造・流通・販売という事業がすでに確立されていますし、それを生業にして暮らしているたくさんの人が存在します。

改革を行うなら、単に、反対の声を上げるだけでなく、事実関係のすり合わせと、誰もが納得する代替案が必要なのです。
  
Hさんの自由研究は、まさに、現場の声です。

ですから、知らない人に、まずは知ってもらうこと。

これまで、疑いすらしなかったことが、自分たちの健康を脅かしていたという現実を、見てもらうことが、始まりです。

子どもたちは、「なぜ?」に対して、とても貪欲です。
大人からの「なぜ?」とは比べ物にならないほど、知的欲求が強いです。

Hさんへ足の計測についての一つ一つを伝承していく際に、私が私へ「なぜ?」の回答を、再度、再再度、確認しながら進めていくこととなり、教える仕事とは、自分の為でもあるのだなと、改めて襟を正した井手口でした。

知らないことで、なんとなく過ごし、ゆるく履く靴。
 
足元が不安定だと、心も身体も不安定のままです。

ご自分へ対しての安心感が育まれず、心が凪ぐことはありません。

自分の足を通じて、興味が好奇心へと変化し、知識を知恵に変えてきたHさん。

新しい技の習得で、これからの人生がますます充実していくことでしょう。

一年かけて、データを集め、研究をまとめ、来年夏に発表するそうです。

自分への信頼は、自己肯定感に繋がります。

そうやって掴んだ正義すらも、常に疑いながら、決めてかからず、柔軟に、軽やかに進みましょう!


不意に現れた、15歳の伝承者。
全く予期せぬお申し出と、彼女の志に、胸が熱くなった井手口です。

Hさん。ありがとうございます。

アシタスタイルでは、足の健康度を測る資格と、靴の適切な履き方を通じて、健康の原理原則を広めていく活動を行っています。